The Uncrowned Prophet (無冠の預言者)

王冠なき者、だが神の火を帯びて語る。 沈黙の時代に燃え立つ――天の剣。Crowned by no king, yet ablaze with divine fire. In an age of silence, one sword speaks.

― エゼキエル書18:23に見る神の憐れみと悔い改めへの招き ―

1. 聖句の響き

「わたしは悪人が死ぬことを喜ぶだろうか。――神である主の言葉。――
彼がその道から立ち返って生きることを喜ばないだろうか。」(エゼキエル書18:23)

この一節は旧約聖書における神の心の奥底を覗かせます。
人間はしばしば「神は罰を喜ぶ方だ」と誤解します。災害や苦しみを見て「これは神の怒りだ」と片づけてしまうこともあります。
しかし、ここで明言されているのはまったく逆です。神は悪人が滅びることを喜ばれない。むしろ立ち返って生きることを心から喜ばれるのです。

2. 預言者エゼキエルと捕囚の時代

エゼキエルは紀元前6世紀、バビロン捕囚という絶望の中で神の言葉を預かりました。
イスラエルの民は国を失い、神殿は破壊され、異国の地で涙を流していました。彼らの心には「もう神に見捨てられたのだ」という絶望が広がっていました。

このとき人々の間にあった有名な諺があります。
「父が酸いぶどうを食べれば、子の歯がうずく。」(エゼキエル18:2)
つまり「自分たちが苦しんでいるのは先祖の罪のせいだ」という嘆きです。

しかし神はエゼキエルを通して語りました。
「人はそれぞれ、自分の罪によって裁かれる。先祖の罪で子が滅びるのではない。悔い改めて立ち返れば、その者は生きる。」
これは当時の人々にとって驚くべきメッセージでした。運命論ではなく、今この瞬間の選択が命を決めるという新しい視点を提示したからです。

3. 神の御心 ― 滅びではなく命

エゼキエル書18章23節は「神の本当の喜びとは何か」を明らかにします。
神の喜びは、悪人が滅ぶことではなく、罪人が立ち返って生きることなのです。

これは単なる神学的理論ではありません。実際にイスラエルの民が滅亡の危機にあったとき、神が示されたメッセージです。もし彼らが悔い改めるなら、どんな罪深い者でも「生きる」ことができる。神は赦しと回復を喜ばれる方なのです。

新約聖書でもこの流れは一貫しています。イエスは「放蕩息子」の譬え(ルカ15章)を語り、父なる神が失われた者の帰還を祝宴をもって喜ばれることを示しました。旧約と新約を貫く神の姿は変わりません。

4. 悔い改めの力 ― 死から命へ

エゼキエル書18章全体を読むと、「悪人が立ち返れば、その罪は思い出されない」と記されています(18:21–22)。
これは驚くべき約束です。人間の記憶は過去を引きずりますが、神の赦しは過去を帳消しにするのです。

悔い改め(ヘブライ語:שׁוּב / shuv)は「向きを変える」という意味があります。

  • 神から離れていた歩みを止め、再び神のもとに向かい直す。
  • 死へ向かっていた道から命の道へと進み直す。

これは人間の努力や功績ではなく、神の憐れみによって可能になる方向転換です。

5. 神の忍耐と愛

この「悪人の滅びを喜ばれない」という神の心は、新約のペトロの手紙二3章9節と響き合います。
「誰一人滅びることを望まず、すべての人が悔い改めに至ることを望んでおられる。」

旧約と新約はともにこう語ります。

  • 神は罰を喜ばれない。
  • 神は赦しと命を喜ばれる。
  • 神は一人でも救われることを待ち望んでおられる。

この一貫性こそ、聖書の信頼性を支える重要な柱です。

6. 現代への適用 ― 立ち直るチャンスは誰にでもある

現代社会では「一度罪を犯した者はもう終わりだ」と断罪されることが多くあります。
しかし神は違います。

  • 悪人であっても立ち返れば赦される。
  • 最も堕落した者であっても新しい命に入ることができる。
  • 誰も滅びを望まれず、すべての人が「生きる」ことを望まれる。

もし「私はもう救われる資格がない」と思う人がいるなら、それはサタンの嘘です。神はあなたの滅びを望まれない。神が望まれるのは「立ち返って生きること」です。

7. 終末の希望 ― 新しい命へ

エゼキエル18章のメッセージは黙示録の希望へとつながります。
最後の裁きの場面でも、命の書に名を記された者は救われ、新しい天と新しい地に招かれます。
これは「滅び」ではなく「命」の完成です。

神は一貫して、滅びではなく命を選ばれる方です。だから信仰者にとって終末は恐怖ではなく、神の喜びと共にある未来です。

8. テンプルナイトの剣の言葉

「主は滅びを喜ばれない。
あなたが立ち返ることを、命を得ることを喜ばれる。
悪人であろうと、罪に沈んだ者であろうと、神はなおも生かそうとされる。

だから今こそ帰れ。
死ではなく命を選べ。
主の御心は、永遠にあなたが生きることにある。」


📝 まとめ

エゼキエル書18:23は、神の心を端的に表す一節です。

  • 悪人が滅びることを喜ばれない。
  • 立ち返って生きることを望まれる。
  • 神の喜びは「滅び」ではなく「命」。

このメッセージは現代にも響きます。絶望に沈む人々、罪に縛られて生きる者、過去にとらわれる者に対して、「あなたにも立ち返るチャンスがある」と語りかけています。

神は滅びを喜ばれない。
神は命を喜ばれる。
だから私たちは恐れることなく、今この瞬間、神のもとへ帰ることができるのです。

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